このサイトは基本的にリンクフリーでおます、でも商売のネタに使うのは禁止します。ヤフオクの説明代わりに引用コピペ改変なんて絶対ダメ。
メーカー/国/モデル名/用途HEMMI/日本/No.54
サイズ6インチ  片面型
材 質本体/竹+セルロイド  カーソル他欠品
尺 度

表面  A ,  [ B , CI , C ]  D 
 裏面  [ S , L , T ]  ※ [ ] 内は滑尺

製造年
価 格
特 徴オーバーレンジを装備 元々はマグニファイア付き
バリエーション
     写真の物は、2010年にyahooオークションで入手した物です。

2010/07作成

 計算尺では少数派の6インチ尺です。
 構造と尺度からするとHEMMI No.34RKを6インチにしたというべきなんでしょうが、No.50を6インチにしたとも言えます。
 目に付くのはオーバーレンジが刻まれているところです。ですからぱっと見た印象としてはNo.74のほうが近い物があります。うーん。

 カーソルが付いていないのですけど、これはマグニファイア付きだったようです。PaulRossさんのサイトにあるNo.54もマグニファイアがありません。マグニファイアがあればまた印象が違った物になっていたでしょう。
 カーソルがないのも気持ち悪いので、No.86のカーソルをはめ込み合成してみました。時代的には逆C型カーソルだった可能性がありますね。

 他のヘンミ製計算尺では「"SUN" HEMMI 」とあるのが、この個体に限って「"SUN" ヘンミ 」となっているのも珍しいところです。ヘンミ製で他の例を知りません。

 一番面白いのは、滑尺下に入っている カンニングペーパー と思しき紙です。
 スキャンしようと取り出してみて気付いたのですが、裏表に書き込みがあります。先輩諸氏も苦労されたんですね・・・・いやいや、誰が何のために入れたのか、あくまでも想像です(笑

 ただまぁ正直に言いまして、カンペに書くにはかなりレベルが低い内容です。化学で相当苦労したんでしょうね。
 計算尺そのものはかなり使い込まれております。でもなんでカンペ挟んだままなんだろう?
 ひょっとすると使い込まれた計算尺を貰っただけなんだろうか?

 
表面
 
裏面
 
裏面滑尺下 カンペと思しき紙が入っています
 
No.86のカーソルをはめ込み合成
 
滑尺表面
 
滑尺裏面
 
下側側面 6インチ尺であることがよくわかります
表面左側 表面右側
裏面左側 裏面右側
表面中央部 表面、ロゴ拡大
裏面滑尺下カンニングペーパー 表面
裏面滑尺下カンニングペーパー 裏面

YOSHIさんがテキスト起こしされたカンニングペーパーの表面の内容は以下の通りです

エーテル 2つの炭化水素が、O(酸素)原子で結合されたもの。
ホルムアルデヒド HCHO 還元力大。
アセト(アルデヒド) CH3CH3CHO、CH≡CH+H2O=CH3CHO
ベンズアルデヒド C6H5CHO 
自動酸化→分子状の酸化(素?)によって常温で起こる酸化
アセトン、無色の液体。水と任意の割合にまじる。酢酸(を)CaO、ZnO、MnO2などの触媒存在で加熱(して得られる)
2CH3COOH→CH3・CO・CH3+CO2+H2O
----------------------------------------------------------------------------------------------------
有機化学のかなり基礎の部分です。

KIM訳の裏面

とちるい*1をアセトンバクテリアによって発酵。 H4H9OHが発生ブチルア*2
CH2づつ分子の大きさの変わった化合物の一系列であって、同族列に属する種々化合物を同族体
炭素{炭素環式{飽和脂環式化合物のシクロパラフィン 複素カ式化合物*3
----------------------------------------------------------------------------------------------------
*1:栃類と思われる
*2:ブチルアルコール(ブタノール)と思われる、
*3:複素環式化合物と思われる

 
だんだん面倒くさくなってきたんでしょうね。裏面はだいぶ手抜きになってきています。
 面白いのは、アセトンの製造です。アセトン−ブタノール発酵と考えられますが、特記はされていません。
 栃からアセトンを製造したのは第一次大戦時にUボートが大西洋で通商破壊戦を行っていた頃です。アセトンは火薬製造の軍需物資として重要でした。(今でも重要です) それまでは木材を乾留して作っていたのですが、後のイスラエル初代大統領ヴァイツマンが発酵によるアセトン製造法を開発しました。アセトン製造のために日本から栃を送ったそうですが、えらく効率の悪い話で・・・・ほんまかいな?
 この計算尺が製造されたのはPaulRossさんのサイトによると1936-WWIIとなっていますので、その時期は10年もありません。わざわざ「ヘンミ」と書いたこの計算尺は第二次大戦頃の製品だと想われます。
 先の大戦で行われた製法が20〜30年後に製造された計算尺に挟んだカンペに書かれていたわけです。
 当時は物資も逼迫していたでしょうから、石油からの合成ではなくわざわざアセトン−ブタノール発酵の製法にかかる部分を強調したのでしょう。第二次大戦時の物だとしたら時代背景が伺われる内容です。

このサイトは基本的にリンクフリーでおます、でも商売のネタに使うのは禁止します。ヤフオクの説明代わりに引用コピペ改変なんて絶対ダメ。