ワイヤーガイド式くくりワナの作り方 後編 (c)2015 kimura

前編 くくりワナの作り方 その1 ワイヤーの製作 からお読みください

では 踏み板・ワイヤガイド部分の製作

踏み板部分の製作
[ワイヤガイド]
30cmのVP13は縦半分にカットして、バーナー等であぶって両端を平たくし、続いてU字型に曲げます。


80度くらいで加工可能になってきますが、十分な加工をしたければ100度以上に加熱しないといけません。



幅が11cm程度になるように冶具があれば作業がしやすいのです
φ10cm程度のビンなどを利用すると結構上手くいきます。

 平たくした部分にφ5.5mmの穴をあけておき、角は丸くしておきます。このワイヤーガイド2本でワンセットです。
 同様の構造を作れるのであれば、材質は特に問いません。

踏み板本体の製作

シナの合板から、踏み板部分を切り出します。ジグソーみたいなものでも可能ですが、大量生産ならやっぱ電動のこですね。
材質はプラ板だろうが鉄板だろうが何でもかまいません。入手性と加工性と考慮して、適当なもので作ってください。
ここで使用するのは 14cm×16cm の板です。

ケモノが踏むは蹴散らすは、そもそも合板を露天に晒すのですから寿命は2年くらいです。
予備を含めて多めに用意しましょう。

出来上がりはこんな感じです。
小判型に耳がついたのが基本形です。小判型にこだわる必要はありません。多少カクカクしていても問題なしです。

耳の部分の幅で、動作する踏圧を調整します。
耳の部分が広いほど、ワイヤーガイドの角度は浅くなります。ということは、軽い踏圧で弾くわけです。
耳の幅はイノシシ・シカで7cm、中型獣も狙うなら8cmにしています。

左は、踏み板作成に使うねじ類です。

左上にあるのがスリムヘッドのねじ。なかなか入手しにくいのでねじ専門店で探してください
私は草津市にあるねじの山崎で購入しました。

あとはナットとワッシャ類

右上にあるのが、アルミアングル(19×19×1.0mm)を加工した金具です。


このLアングルが結構大事です。

Lアングルを切断してφ5.5mmの穴をあけます。合板側が3cm、ワイヤガイド側が2cm間隔です
同じ幅にしたら、干渉してワイヤーガイドが装着できませんよ。
 これを先のシナ合板にトラスネジで固定します。
 裏側のナットにはワッシャをかませて強度を確保します。

 ナベネジでは頭がでかすぎて、スリムヘッドでは高くつきます。
 材料表ではトラスネジ3本で固定するようにしていますが、写真では2本止めしてます。強度はこれでもいけると思います。

 ワイヤーの短径を12cm以内にしなければならないので、Lアングルの間隔は10.5cmにしておきます。
 長径の方はというと、これが規定がありません。心配な方は担当課にご確認ください。
 市販品では短径12cm長径24cmなんてものもあります。

 このくくりワナはVP13を使用して長径18cm程度になるようにしています。あまり伸ばすと強度的にしんどくなります。
 また、ワイヤーガイドの角度設定がシビアになりますので、ほどほどで手を打っています。
これにワイヤーガイドを装着するわけです。
ワイヤーガイドはスリムヘッドのネジを使用して組み立てます。
# 普通のナベネジだと、ここでワイヤーが引っかかってしまいます。

スリムヘッドのネジ+ワイヤーガイド+ワッシャ+Lアングル+ワッシャ+ナット+ナットと、ワッシャを噛ませます。
裏側はこんな感じで、末端はWナットで固定するか、ナイロンナットを使用し、ワイヤーガイドが軽く動く程度で固定します。

締めすぎるとワイヤーガイドの動きが悪くなります



これが完成した踏み板です。踏み板がそのままトリガーになりますので、全体としては非常にシンプルな構造です。
ワイヤーを掛けてばねを圧縮すると、ワイヤーガイドは水平よりも少しが下がって、ばねの張力が掛かります。踏み板を踏むとワイヤーガイドが上に上がる形になり、ワイヤーガイドが水平より上になると、押しバネの力でワイヤーを締める仕組みです。

ついでにもうひとつ 囲いも作成
 ケモノは鼻で地面を探っています。横からくくりワナを叩かれると位置がバレる事と、ずれてしまうことで不発がおきたりします。

 ワイヤーガイド部分を保持する囲いがあれば尚良しということになります。
 写真の囲いは1×4の板を縦1/3に切って作成しています。内法が14cm×16cmの踏み板が引っかからずに落ちるようになっていれば何でもOKです。

 板2枚でワイヤーガイドを支えても動作します。
 要するに、踏み板を踏んだらワイヤーガイドが上に反転するようになればいいのです。

完成図

完成したくくりワナはこのような形になります。うまく動作するとこんな感じで捕獲できます

くくりワナは、いかに上手に隠してケモノに踏ませるかがキモです。ポンと置いて掛かると思ったら大間違いですよ。