HEMMI計算尺の刻印
HEMMI計算尺には刻印が打たれています。
この刻印のうちアルファベット2文字のものは製造年月を示す物です。
刻印があるということは知っていて、それが製造に関わるものだということも知っていましたが、正確な意味を知ったのは21世紀に入ってからでした(笑 リアル世代ではないのでそんなもんです。

このアルファベット2文字刻印の意味は別表に示したとおりで、1950年〜1975年まで付けられていたようです。
刻印の位置は、表面に型番と一緒に打たれていたり、裏面にあったり、側面にひっそりと打たれていたりとまちまちです。

刻印が[CE]なら1952年5月製造・[QF]なら1966年6月製造と、何年何月までわかるようになっています。
Z*の刻印は確認していませんので、本当に1975年まで付けられていたのかどうかは不明です。

それでは1975年以降はどうなっているのでしょう?
もちろん1975年以降にはHEMMIでは特殊用途の計算尺以外は作られていません。ですから刻印もありません。
同様に1950年以前も刻印がないわけです。

このアルファベット2文字以外には、太陽が昇るマークに挟まれた「SUN 」と「HEMMI JAPAN」、それに型番というのが一般的な物です。
戦後のHEMMI製計算尺は「SUN」と刻印されていますが、戦前の物は「"SUN"」になっています。終戦直後のOCCUPIED JAPANの刻印がある物は「SUN 」となっていました。

OCCUPIED JAPANは占領下の時にしか用いられていないはずですから、多少の誤差はあるにしても講和条約を批准した1952年(昭和27年)からは使われていないはずです。
するとHEMMIの刻印[A*]〜[C*]まではOCCUPIED JAPANとなっているはずなのですが・・・・資料不足もありどうもよくわかりません。
単なる憶測ですが、戦後にOCCUPIED JAPANを入れたときに「"SUN"」から「SUN」になったのではないかと想います。

RICOH尺にも刻印がありますが、これについてはまた別の機会に。


HEMMI尺、刻印の色々

No.153の刻印 1952年5月製造です
かなり古いタイプで、表面に堂々と打ち込まれています。
No.256の刻印 1960年8月製造
両面型ではこのような入り方が多くなっています。 薄いので気を付けないとわかりません。
No.2664Sの刻印 1967年11月製造
片面型ではこのような入り方が多いですね
No.P253の刻印 写真ではわかりにくいですが[QF]で1966年6月製造です
No.34RKの刻印 1953年2月製造です


(表)HEMMI計算尺の刻印と製造年の関係
 

1桁目

2桁目

A

1950

A

1月

B

1951

B

2月

C

1952

C

3月

D

1953

D

4月

E

1954

E

5月

F

1955

F

6月

G

1956

G

7月

H

1957

H

8月

I

1958

I

9月

J

1959

J

10月

K

1960

K

11月

L

1961

L

12月

M

1962

N

1963

O

1964

P

1965

Q

1966

R

1967

S

1968

T

1969

U

1970

V

1971

W

1972

X

1973

Y

1974

Z

1975